「ガンガン前に出て、リングで暴れます!」
3・14「MAROOMS presents KNOCK OUT.62」の[KNOCK OUT-UNLIMITED女子 -54.0kg契約/3分3R]で鈴木万李弥と対戦するタイソンRINA。ウェイトリフティングで世界大会にも出場するなどの実績を挙げた彼女がキックボクシングをやっている理由、そしてこのUNLIMITEDにかける思いとは?
──今回、KNOCK OUT初参戦ですが、KNOCK OUTにはどんな印象がありますか?
タイソン KNOCK OUT自体が本当にバチバチな打ち合いというか、KOを必須にしてるような団体だなという印象が一番強いのと、あと私自身、アマチュアで初めて試合をしたのがKNOCK OUTだったんですよ。そこからいろんな団体に出させてもらって、プロでまたこうして戻ってくるというか、KNOCK OUTに出られるというのがうれしいし、楽しみですね。
──そして今回はUNLIMITEDルールでの参戦となりました。このルールでというオファーがあったんですか?
タイソン そうですね。最初はキックルールのオファーだったんですけど、あとからUNLIMITEDのオファーに変更になって。でもすぐに受けました。何しろ女子で初めてなので。
──抵抗はなかったんですか?
タイソン なかったですね。私自身がウェイトリフティングをやっていて、MMAは一回もやったことはないんですけど、見たことはあって。KNOCK OUTでUNLIMITEDルールというのがあるのを知ってから、「女子はないんだな」って密かに思ってた部分もあったんですよ。寝技とかがない分、キックルールでずっとやってきた私にもチャンスはあるのかなと思ってたので、オファーが来たらもう絶対即決でやろうと思ってたので。タイミングもすごくよかったです。
──UNLIMITED自体にはどんな印象がありますか?
タイソン やられるかやるか、どっちかなんだなって。キックボクシングだったらダウンで一回止められますけど、UNLIMITEDではダウンを取られたら追撃でやられることになるので、その前に自分がやってしまおうと。そういう闘い方のスタイルでいけるのが楽しみです。
──対戦相手の鈴木万李弥選手はMMAの経験もありますよね。そこも含めて、どんな印象ですか?
タイソン 強いっていうのは見ていても分かるし、周りからも言われてますし。本当に尊敬していいレベルだと思ってるので、敬意を持って闘うんですけど、MMAとはまたちょっと違ったルールという点に関しては、同じスタートラインに立ってると思ってます。自分もやりにいくし、相手も果敢に攻めてくると思うので、経歴とかはもう関係なしに、やりにいこうと思っています。
──はい。試合が決まってから、UNLIMITED用の練習はどれぐらいやっていますか?
タイソン ほとんど所属のTEPPEN GYMで練習してるんですが、知り合いというか、お世話になってる方でありがたいことにMMAの選手がいたので、練習させてもらったりとか、あとはいろんな情報も取り入れつつやらせてもらってきた感じですね。
──大きいのはタックルとか、寝かされた時の対処だと思うんですが、そのあたりはどうですか?
タイソン 最初は本当に難しくて、思ってた以上に苦戦した部分はありました。でも3ヵ月ぐらい期間があったので、1ヵ月経ったぐらいからは動けるようになってきて、別に怖がる必要はないなと思っています。
──今回の試合ではどう闘って、どう勝ちたいと思っていますか?
タイソン まずは打ち合いになると思うので、そこはもう自分が打ち合うかどうかですよね。UNLIMITEDルールは初めてですけど、自分は打ち合いに持っていくタイプなので、そこは自分を信じてバチバチ打ち合っていこうと思っています。
──オープンフィンガーグローブ(OFG)はどうですか?
タイソン RISEでの試合では4オンスのグローブを使っていたというのもあって、グローブの大きさ的にはあまり変わらないなと思ったんですけど、投げたりとかもありなので、そこで手を使うとなると、距離とかが難しいなと思ったりはしました。今はもう全然大丈夫ですけど。
──八角形リング「KNOCKTAGON」も初めてですが。12月に出た大会で、キックルールだったんですけど、MMAのケージでやらせてもらったんです。八角形でもリングなのは初めてだから、背中をついた時の感覚とかは分からないですけど、でも八角形自体は初めてじゃないので、そこの感覚はちょっと分かってる感じですね。12月の試合でも苦戦するかなと思ったんですけど、意外とリングよりも自分が思うように動けるなっていうのがあって、やりやすいかなと思いました。
──最終的にはどう勝ちたいですか?
タイソン 本当に今、けっこう注目していただいてるんですけど、やっぱり戦績的には圧倒的に鈴木選手が上に見られているので、そこをしっかり覆したいと思っているので、絶対自分がKOするつもりでやりに行こうと思います。お客さんには自分の全てを見ていただきたいんですけど、本当にガツガツというか、一歩も引かないところを見て、「これだけできる選手なんだ」というのを皆さんに知ってもらいたいと思います。
──今回をきっかけに、KNOCK OUTでも今後やっていきたいという気持ちは……。
タイソン あります!やっぱりKNOCK OUTのベルトは欲しいですね。それこそUNLIMITEDルールを作ってもらったら、キックボクサーはたぶん、誰もやりたくないと思うんですよ。私がこのルールで一番最初にスタート地点に立つ選手になるので、自分を見て、「やっぱり女子のUNLIMITEDベルトも作ろう」って思ってもらって、いずれはKNOCK OUTの顔にもなれたらいいなと思っています。
──ところで、これまでの経歴についてもお聞きしたいんですが、先ほど出たウェイトリフティングだけでなく、スポーツ歴がけっこういろいろありますよね。
タイソン そうなんですよ! 最初は少年野球を小学校2年生からやってて。キャッチャー以外全部やってたんですけど、ファーストとセンターが多かったかな。打てるのと、足が速かったので。野球は小学6年生までやったんですけど、そこで私が突然、脱毛症にかかったんです。
──突然だったんですね。
タイソン はい。野球を退団したのが小学6年生の12月なんですけど、辞めた直後ぐらいから脱毛症になり始めて、中学に入ると同時にウィッグをつけ始めたんですよ。その影響もあって、その後のスポーツは「どれにしようか」じゃなくて、「どれしかできない」って思ってしまって。ウィッグ自体が水に濡れちゃいけないとか風に弱いとか、いろんなことがあって。で、結局はバレーボールだったら何とかできそうだなというのがあって、そこからバレーボールを3年間やりました。
──その後がウェイトリフティングですか?
タイソン そうですね、高校1年生からウェイトリフティングを始めて。その年がちょうどオリンピックイヤーだったんですね。ロンドンオリンピックで、三宅宏実選手が銀メダルを獲ったのを見てたのと、あとたまたま、近所の知り合いの方が地元の高校でウェイトリフティングをやってて。私は野球時代からパワー系には自信があったので、「ウェイトリフティングやってみないか」って言ってもらって。ちょうど進路を迷ってる時やったんで、一回体験に行ったらどハマりして。「これでオリンピックを目指せるんだったら、やりたいな」と思ったし、自分の力を生かせるなと思って。
──ただ、大会優勝の実績はありますが、オリンピックには……。
タイソン 20歳以下の全日本ジュニアの大会で3連覇して、オリンピックの強化選手までは選ばれて視界には入ったんですけど、そこからケガをしてしまって。それで遠い存在になってしまいましたね。それでも大学4年生で引退するまではウェイトリフティングをやり続けて、でも大学卒業と同時に引退するというのはもう決めていたので、就職するかどうしようかと迷ってた時に、キックボクシングに行きました。
──就職じゃなくて、キックボクシングを選んだんですか?
タイソン そうですね。私はちっちゃい時からプロスポーツ選手になりたくて、その夢が諦めきれなくて。だからオリンピックに行ったら、ウェイトリフティングでその後もやっていこうと思ってたんですけど、それができなくなって。家族からは「就職しろ」って言われてたんですけど、でもやっぱりちっちゃい時からの夢を諦めきれなくて、他の種目でもいいからプロを目指そうと思ったんです。そこで友達がフィットネスでキックボクシングをやってるのを知って。当時、私はキックボクシングという競技を知らなかったんですよ。格闘技を見ない女の子だったので。そんな中でキックに出会って体験に行って。
──ではキックを始める時には、プロを目指す前提だったんですね。
タイソン はい。ウェイトリフティング引退後、1ヵ月ぐらいは「どの種目にしようか」って考えてたんですけど、キックの体験に行ったら、すぐ「これだ!」って思いました。
──でもそこまでは、コンタクトスポーツは未経験ですよね。そこは大丈夫だったんですか?
タイソン もう本当に未知の世界だったので、逆にそれがよかったというか。どうやったらプロになれるかとかも知らない状況からスタートしたし、ましてやアマチュアの試合なんてどうやって出るんだろう、みたいな。そこから始まってたので、怖さとかもなかったって感じですね。
──念願のプロになってからはどうですか?
タイソン 本当にいろいろ苦労とかもあるんですけど、でも一番思うのは、格闘家になれてよかったっていうことですね。いろんなスポーツをやってきましたけど、見ている人にパワーとか勇気だったりとかを与えるっていうことは、格闘家にしかできないなと感じていて。私が脱毛症になったというのもあるんですけど、いろんな人に応援してもらえるというのがかなり大きいですね。「試合見ました」って言われるのも、格闘家になってから一気に増えましたし。今までウェイトリフティングでも全国で1位になったり、世界大会に出たりはしてたんですけど、格闘技はそれ以上の注目度があって、自分が周りに与えられることも大きいなというのを感じるようになりました。
──以前につけていたというウィッグも、今はつけてないですよね?
タイソン これはウェイトリフティング時代、大学4年生の時からですね。本当は、自分はウィッグをつけたくなかったんですよ。スポーツをずっとやってきていた上で、合宿とか泊まり込みとかもあるし、練習中の汗とかも本当にイヤで。やっぱりウィッグの間から見える部分とかもあるので周りの視線が気になりすぎて、私自身が思いっきりプレーできてなかったんですね。そうやって人の視線を気にして、自分がありのままの姿でいられないのが本当に苦痛で。
──なるほど……。
タイソン 病気のこと自体も、当時は家族しか知らなくて。家の外に一歩出るのにも、絶対ウィッグをつけないとっていう状況が本当にしんどくて。大学で石川県に行ったんですけど、そこで実家の京都から離れたというのもあって、大学で一人暮らししてる時に、「外すのは今かな」ってずっと思ってて。石川県はけっこうのどかな町だし、行く場所が大学だけだったので、周りの視線とかも気にならないというのもあって。その時に一番仲のいい同級生の子に、初めて病気について相談したんですね。「こういう状況で、自分は本当に外したいんだけど、一緒に手伝ってくれない?」って。そしたら快く受け入れてくれて。大学最後のこの年じゃないと、たぶん私は自分の本当の姿をさらけ出せないなと思ってたので、その友達の協力もあって「今だ」と思って、思いっきりそこで外しました。
──そこからはスッキリしましたか?
タイソン めっちゃスッキリしましたね。大阪とか京都だと人が多いので、その分の視線とかはたまに気になることはあったりするんですけど、スポーツ選手でいる自分にとっては本当にスッキリしたというか。またリングに立っている私の姿を見て、たまにそのDMとかメッセージをくれる方が増えたんです。「私も本当は脱毛症なんですけど」っていうメッセージとかをももらう機会がめっちゃ増えて。そうやって自分からさらけ出してよかったなというのを思えてるので、本当によかったです。
──ではそこからは、リングで暴れるだけという感じですね。
タイソン そうですね。特に今回は、本当にリングで暴れます。
──では最後に、今回の試合で一番注目してほしいポイントはどこでしょうか?
タイソン 前に前に、アグレッシブに突き進んでいくところを見てください。そこに尽きます!
──分かりました。ありがとうございました!
プロフィール
タイソンRINA
生年月日:1997年9月13日生
所属:TEAM TEPPEN
出身:京都府京都市
身長:154cm
戦績:8戦3勝3敗2分

