「今回、勝つところを見せたい相手がいます。そのためにも倒します!」

 

 

7・20「KNOCK OUT REBELS SERIES.12」の[KNOCK OUT-BLACK -63.0kg契約/3分3R]で加藤大智と対戦するアックス斧田。昨年9月以来の参戦となる斧田は、この間に試合とプライベートの両方で、転機となるような出来事があったという。その2つを抱えて試合に臨む意気込みとは……?

 

 

──KNOCK OUTでの試合は昨年9月の宇山京介戦以来、10ヵ月ぶりになりますね。この間の試合は……。

 

斧田 その後、ちょっとケガをしてたり、いろいろやり直す期間だったりを含めていろいろ考えてやっていて、4月にKROSS×OVERさんで1試合だけやりました。でもその試合が、今までで一番ひどい試合をしちゃったなっていうぐらいひどくて。もちろん相手が強かったというのもあるんですけど、もう過去にないぐらいガチガチになってしまって。練習してきたことができないとかそういう次元じゃなく、アマチュアデビューの時より緊張しちゃってましたね。

 

──そうなんですね。

 

斧田 当日とか、練習の期間までは過去イチというぐらい、本当に調子がよかったんですよ。もちろん相手のことをナメてたわけではないですけど、自分の中でも「いけるんじゃないかな」みたいな感じだったし、たぶん周りのみんなも思ってたと思うぐらいで。だけど、ちょっとそれを気負いすぎちゃったというか、硬くなりすぎちゃって。もうリングに上がる前とか、動画で見たら怯えた小動物みたいになってて、自分でビックリしたぐらいでした。結果的に何もできずに、普通にボロ負けしてしまって。よくなかったですね、本当に。

 

──以前もそうでしたが、やはり試合の時に硬くなってしまうというのは大きな課題のようですね。

 

斧田 そうですね。その前のKNOCK OUTでの宇山戦と、その前の代々木大会の隼大戦は、そこまで緊張はなかったんですよね。初めてちゃんとセコンドの声が聞けましたし、試合に臨む時も緊張してる感じが自分でなくて。宇山選手には結果的に負けちゃったんですけど、試合の動きとしては過去で一番よかったんじゃないかなっていう試合もできたんです。でも4月の試合は、相手が元チャンピオンでしたし、「次につなげていくためにどうしても勝たなきゃ」みたいな感じに気負いすぎちゃって、それがダメだったのかなとは思いますね。

 

──なるほど。

 

斧田 これはもう昔から、格闘技でデビューする以前、サラリーマンだった時とか、その前からの問題なんですけど。自分は固定観念に囚われてしまうところがすごく強いんですよ。「格闘家はこうじゃなきゃいけない」とか、「試合でこうしなきゃうまくないからプロじゃない」とか、そういう意識がすごく強くて。会長や他の選手からも「お前は考えすぎ、真面目すぎだから」ってすごく言われるんですけど、それがなかなか治らなかったんですよね。でも今回はいい意味で諦めて、「もういいや、半分適当にやろう」とか「もうここまでいいや」みたいな感じでやるようにしてるんです。だから変に肩の力が入っていたのが抜けるようになってきて。本番はもちろん緊張するでしょうけど、そういう意味でちょっと改善はできてるかなとは思ってます。

 

──自分で自分を縛っちゃっていたようなところがあったんですね。

 

斧田 はい、まさしくそうです。ただ今回はKNOCK OUTだからやっぱりKOはしたいですし、特に常葉大会はダブルUPボーナスもあるので。自分は戦績としては負け越してますけど、唯一言えるのは「勝ちも負けもKO」というのは続いているので、それだけは続けたいというか、KOで勝ちたいなと思っています。

 

──今回の相手は加藤大智選手ですが、印象は?

 

斧田 階級が上で身長も高いので、フィジカルとかはひょっとしたら自分より強いのかなとは思います。アマチュアとプロの試合も含めて目は通してるんですけど、身長が高いわりにはどっちかというと打ち合ってくれるようなタイプに見えるので、そうなったらいいかなと思っています。「蹴り漬け」にされるよりは、打ちに来てくれた方がいいので。

 

──やっぱり打ち合いたいですか。

 

斧田 それはあるんですけど、これもやっぱり、今まで試合映像を見て相手のことを決めつけちゃっていたから、予想外のことが出てくるとワケが分からなくなっていたのもあって。だから試合映像も、合計で3~4回ぐらいしか見てないんですよ。どの試合も1回ずつサラッと見たぐらいで。あとは会長とか周りの選手の意見を聞いて、自分もそれに従えばいいかなというぐらいに思っています。

 

──ではKOするのは前提として、どう闘うかも、いい意味で成り行きみたいな感じですか?

 

斧田 そうですね。ざっくりとしただいたいのプランは自分と会長、周りの選手の中であるんですけど、あんまりガッツリは決めつけずという感じです。あと、アマチュアでは2階級で優勝しているエリートなので、すごくやってるんでしょうけど、プロではまだ1試合しかやってないので、プロとしては過去にやった試合と同じことをやってくるわけでもないでしょうし。それに若いので、その1試合でポーンと飛躍的に何かが変わることもあると思うので、そういうのも含めて、あまり考えてないですね。

 

──身長差が10cmありますが、そこはどうですか?

 

斧田 ウチのジムにはDEEPのチャンピオンの大原樹理という選手がいて、彼は180cmあって階級は加藤選手より重いんですよ。その選手と毎日練習できる環境にいるので、別にデカくてもあまり怖くないというか。自分も、自分の階級の中でフィジカルはデカい方だと思うので、そのあたりもあまり決めつけずにやろうと思っています。

 

──斧田選手はもともとスーパーフェザー級ですが、今回は63kg契約ですね。

 

斧田 僕は最近、62.5kgで試合したりもしていて、4月の試合は60kgでオファーをもらったのでキツかったんですけど、相手が元チャンピオンだったので、無理やり落として受けたんですよ。でもやっぱりコンディションがよくなかったので、今後は基本的には62.5kg、ライト級でやりたいと思っています。

 

──同門と言えば、高塩竜司選手が5月の常葉大会で涙のUNLIMITED初勝利を挙げました。あれにも刺激を受けたのでは?

 

斧田 あれはお見事でしたね。ただ、今だから言える話ですけど……複雑ではあったんですよね。竜司とは仲がいいし、もちろん刺激は受けたんですけど、あの時、素直に100%喜べない自分がいたのも悔しくて。いつもだったら「やった! 勝ったぜ!」って即電話したりとか、すぐに会いに行ったりとかしてたんですけどね。そういう意味では、やっぱり刺激だったのかな。竜司も連敗していて、勝ったことに対して心からうれしいはずなのに、「何か俺、今、素直に喜べてないな」と考えて、「こんなんじゃダメだ。これじゃあ卑屈になっちゃう」と思って、ピッと切り替えて、またやれたような気もします。

 

──さて、今回勝ったらどうしたいですか?

 

斧田 先日、自分がすごく溺愛していたペットのハムスターを、試合が決まった翌週ぐらいに亡くしてしまったんですよ。

 

──そうでしたか……。

 

斧田 なので今は、悲しくなりながら練習したりという日々を送っているので、この試合が終わったら、その次がどうこうというよりも、一回ちゃんと落ち着いて、それに向き合いたいなと思っていて。亡くなるような歳でもなかったし、予兆も全くなかったのに、1日2日で急変してしまって。それが、試合が決まった直後ぐらいだったと思うんですけど、そのことをしっかり考えたら試合ができなくなってしまうぐらいなので、今はどうにか忘れようと、むしろ無心になろうと思って練習してるような感じでもあるので。

 

──勝って改めて、しっかり考えるということですね。

 

斧田 はい。その子をちっちゃいお骨にしてもらって、試合にも一緒に連れて行こうと思っているので、勝つ姿をしっかり見せてあげられたらいいかなと思っています。

 

──その意味でも勝たなきゃいけないですね。では最後の質問になりますが、そんな中で今回、一番注目してほしいポイントはどこでしょう?

 

斧田 福島・常葉の大会も初めてですし、見に来てくださる方々、配信で見てくださる方々も、僕のことを知らない方がほとんどだと思うんですけど、僕は今まで勝ちも負けもKOしかないので、必ずKO勝ち、KO負けを……KO負けはしたくないですけど、KO決着になりますので、皆さんは目を離さずにしっかり見て熱狂していただけたらなと思っています。3R判定でダラダラ終わりました、みたいな試合にはならないので。

 

──分かりました。ありがとうございました!


プロフィール
アックス斧田
生年月日:1989年11月1日生
出身:埼玉県幸手市
身長:173cm
戦績:13戦5勝(5KO)8敗