2024/04/26
4.27 MAROOMS presents KNOCK OUT 2024 vol.2|重森陽太 インタビュー公開!
「サウスポーが有利と思われている時代を終わらせます!」
4・27『MAROOMS presents KNOCK OUT 2024 vol.2』の「KNOCK OUT-RED-62.0kg契約/3分3R・延長1R」でセーンダオレック・Y’ZDジムと対戦する重森陽太。重森にとっては、クロスポイント吉祥寺所属となってからは『KNOCK OUT』初戦となるこの一戦。環境が変わった中で、重森が見せたいものとは?
──試合直前になりましたが、コンディションはどんな感じですか?
重森 最終確認も終えて、最後に水抜きをしてというところですね。最後、だいたい2.5kgくらいはいつもジムワークで落とすんですよ。そこから断水してだいたい500gとか1kgぐらい調整します。まあいつも通り、順調ですね。
──今回はクロスポイント吉祥寺所属としての『KNOCK OUT』初戦ということになりますよね。長く所属したジムからいったんはチームという形になって、今はクロスポイントという、選手もたくさんいるジムの所属になりました。ご自分としてはどんな変化がありますか?
重森 クロスポイント所属として、2月に他団体では1試合やったんですけど、『KNOCK OUT』ではこれが初ですね。変化という点では……本当に激動ですよね(笑)。もう変わりすぎちゃって、やっと着地したかなってくらいな感じなんですけど。今までずっと、10年以上、前のジムでお世話になっていて、マンツーマンでコーチに教えてもらってという感じだったんですけど、そこから独立して1人になって。練習環境だったりとかを探しながら、クロスポイントと、HAYATO GYMでイソラサック・コーチにちょっとお世話になって。そんな風に拠点が変わって、やっと今はクロスポイントに移ってって感じなんですけど、クロスポイントにちゃんと籍を置いたら置いたで、やっぱり山口代表もしっかりとサポートしてくれるんですよ。
──出稽古とはやっぱり違うんですね。
重森 もちろん出稽古の時にもお世話になったんですけど、所属になってみたら「フィジカルのクラス増やしてみようか」とか、いろいろ本当に柔軟にやらせてくれるので、今はまた新しい経験ができてるかなって感じてますね。変化が多くて、すごくポジティブに捉えてる感じがあります。
──今はジムにもいろんな選手がいて、チャンピオンもいて、キャリアもいろいろ違うプロ選手がたくさんいますが、その中ではどんな感じの立ち位置なんですか?
重森 クロスポイントって本当に不思議だなって思うんですけど(笑)。だいたい、ジムって「このジムらしいな」っていう色があるじゃないですか。その点、クロスポイントには本当にいろんな人がいて、ファイトスタイルもさまざまだし、いろんな立ち位置の選手がいるんですよね。その中で私はテクニック重視というか、いろんな引き出しがあって、ムエタイで言う「フィームー」(テクニシャン)になりたいなって思ってまして。なので、今クロスポイント所属にさせてもらってるんですけど、引き続きイソラサック・コーチには教えてもらってるんですね。
──ああ、そうなんですか。
重森 はい。クロスポイントの中でもちょっと自分も個性を出したいなって思うので、ちょっと他で練習させてもらったりとかも引き続きやっていって、そういうちょっと変わったヤツがいたら、クロスポイントの選手たちも影響を受けるじゃないですか。自分も実際に、自分とは違う人たちと一緒に練習することですごく影響を受けていて、自分も影響を与えられるような存在になりたいなと思ってるので、そんな風に他での練習というのもちょっと大切にしているところです。
──なるほど。クロスポイントは、『KNOCK OUT』の中心ジムでもあります。重森選手はこれまでもさまざまな立場で『KNOCK OUT』に出場してきた中で、クロスポイントの所属として出るというのは、また違いますよね。
重森 そうですね。今言われて確かになって思ったんですけど、新日本キック時代は、やっぱり新日本キックの選手、代表として出てるので、協会を背負うという気持ちはメチャメチャ強かったですね。で、フリーになった時は……「“個”が大事だな」って思って、重森陽太をいかに売り込むかというのをすごく意識してました。それが今、クロスポイントの一員になって、『KNOCK OUT』という団体を盛り上げるということはすごく意識します。それこそ今までは協会に所属して『KNOCK OUT』に出るという形だったんですけど、今後は『KNOCK OUT』をデカくするために、自分にどんなことが必要なのかなとか考えるようになりますね。だから、やっぱり世界の強豪と戦えるようにならなきゃいけないなと思いますし、ちょっと世界が広がった感じはします。
──同時に、同じジムの仲間がたくさん同じ大会にも出るという状況にもなってると思うんですが、そこもやっぱり違いますよね。
重森 そうですね。試合前の選手が多いので、引っ張られるというのはありますね。それは本当に、メチャメチャいいことだと思います。今までなかった感覚ですしね。
──その中で、今回はセーンダオレック選手との対戦ですけが、改めてどんな印象でしょうか?
重森 本当にアグレッシブな選手で、『KNOCK OUT STYLE』とかちょっと見させていただいたんですけど、彼もまだ若くて、「成り上がろう」とかジムのために頑張ろうという気持ちがすごく高いので、無気力な試合をしてくることはなさそうで、すごく熱い試合ができるんじゃないかなと思ってます。
──相手の技とか攻撃では、どういうところに警戒したいですか?
重森 パンチとヒジが強いなというのと、思い切りがいいですよね。バッと入ってくるので。思いっきりのいい選手って、奇跡を起こしやすいじゃないですか。そういったとこは本当警戒しないといけないなって思うので、最初から最後まで気を引き締めておかないと危ない選手だと思います。
──自分はどう戦ってどう勝ちたいですか?
重森 今回は、対策をしっかりやりました。一つ、大きな作戦はここではナイショです(笑)。あとは、最近はけっこうサウスポーの選手たちと試合することが多かったんですよ。パッと思い浮かぶのは、バットマンもサウスポーだったし、2月に対戦したサミンデットもそうでした。サミンデットに関しては、たぶんほぼ間違いなく、世界一強いサウスポーなんですよ。そういうのを経験してきているので、わりとサウスポーに対しては、もう本当にほぼ完成形に近いくらい対策できてるなって思ってて。なので今回の試合はわりオーソドックスとサウスポーの模範解答くらいの試合ができるんじゃないかなって思ってます。
──見本を見せてやるぞと。
重森 そうですね。何か、サウスポーが有利みたいなイメージあるじゃないですか。でも意外と、あ、こっちの方が最強じゃね?っていうので最近腑に落ちたところがあって。まだ練習を始めて1~2ヵ月だからどこまで出せるか分からないんですけど、サウスポー殺しのオーソドックスをちょっと作り上げることができたので、そこを実践できたら面白いな、試合中も楽しいだろうなって思いますね。
──ここ最近、試合に向けての発言で「倒すことをより意識する」だったり、「稼げる選手になりたい」という言葉もありました。そのあたりについては?
重森 僕は格闘技を5歳から始めてきて、16歳でデビューして、かけてる時間が長いんですけど、今までは格闘技は食っていけないと割り切っていたので、大学にも行ったし、就職もしたしって感じだったんですよ。でもクロスポイントに来ると、キック一本で生きてる選手がいっぱいいるんですよね。それこそ山口元気代表もそうですし。そういうのの影響がかなり高いんですけど、なんかここまでやってきたからには最後、ガッツリ稼がないと損だなって思って。金を稼ぐためにはやっぱり倒すということは必要になってくると思うので、むしろみんなから影響を受けているところです。
──今回の試合も、KOボーナスが出ますからね。
重森 ありがたいですよね。もっと金額が上がるといいなとは思いますけど、今年全部KOすればけっこうな額になりますしね。でもそんなKOボーナスが毎試合出る団体って、『KNOCK OUT』以外ないじゃないですか。確実に、今キックボクシングで一番稼げるのは『KNOCK OUT』なので、そういったところはどんどん見せていきたいですね。自分自身もやっぱり若い子たちに見せる立場になってきてるので、夢のある競技だという風にしていきたいです。何か、「キックは儲からない」というイメージが強いし、日本人って金儲けに対してちょっとネガティブなところがあるじゃないですか。それをもっと、「憧れ」とかそういう風に持っていきたいなって思います。夢を与えたいです。
──では最後に、今回の試合で一番ここに注目してほしいというポイントはどこでしょう?
重森 対サウスポー対策の完成型ができたと思ってるので、そこに注目してほしいです。サウスポーが有利という時代を終わらせます!
──分かりました。ありがとうございました!
プロフィール
重森陽太
所属:クロスポイント吉祥寺
生年月日:1995年6月11日生
出身:東京都稲城市出身
身長:181cm
戦績:53戦39勝(18KO)8敗6分
第2代KNOCK OUT-REDライト級王者/WKBA世界ライト級王者