2021/09/16
9.25 KNOCK OUT 2021 vol.4|麻火佑太郎 インタビュー公開!
「大谷選手には以前から勝てると思っていました。自信しかありません!」
9・25『KNOCK OUT 2021 vol.4』の「KNOCK OUT-BLACK ライト級/3分3R・延長1R」で、大谷翔司と対戦する麻火佑太郞。前回の古村匡平戦では接戦の末に敗れたが、仕切り直しの一戦ではタイトル挑戦の経験もある大谷との対戦が巡ってきた。改めてベルトに近づくため、麻火はどんな意気込みで臨もうとしているのか?
-- 大谷選手の試合は、以前に一度組まれてはいたけど流れたというカードです。その時点で、勝てると思っているというような発言がありました。その気持ちというのは、より強くなっていますか?
麻火 あの時、自分はまだ『REBELS』『KNOCK OUT』グループで1試合しかしてなかったので、その状況で12月に今のチャンピオンにもノンタイトルで勝った選手と組まれたっていうのは、周りからしても、大谷選手の圧勝という声もあったと思うんですけど、個人的には、もう自信しかなくて。大谷選手とバズーカ選手の試合をYouTubeで見たときに、「この選手とはいつかやりそうだな」というのは本当に思っていて、それがまさかすぐにお話をいただいたので、すぐに気持ちも切り替わりましたし、勝てば次にバズーカ選手に挑戦できるのは自分だと思ったので、本当にかなりいい感じに仕上げていました。でも対戦相手が変わって、大谷選手がバズーカ戦の前にやっていた紀州のマルちゃんと決まって。その試合を見たら「紀州のマルちゃんは強いな」と正直思っていて、そんなに気持ちを落とさずに挑めたので、それがいい結果につながったという感じで。だからあの時に大谷選手とやれなかったのは、ちょっと残念ではあるんですが、今こうしてその頃より全然自分は成長してますし、逆に今決まってよかったと思っています。
-- ただ、その後の古村匡平戦では惜しい敗戦になりました。
麻火 あんまりずっと言うのもあれなんですけど……先日のカード発表会見でも言ったんですけど、試合中も、判定を聞くまでも勝ったと思っていて、1人目の判定でまさか相手の名前が呼ばれるとは思ってなくて。なんか今までにない負け方というか、感覚的にもすごい不思議な気持ちになっていて。本当にあの試合が終わってから、ちょっと自分の中で大きな穴が空いたというか、放心状態みたいな、何かどこか欠けてる感じがすごく残っていて。改めてYouTubeに上がった試合動画を見ても、やっぱりより悔しさ……というよりかは、何とも言えない感情になっていて。正直、あの試合が終わって、負けたのに周りの方は前向きな言葉をかけてくださっていて、それを聞いた時に、9月に大谷選手と決まるだろうなと思ったんですね。それでまたお話をいただいたので、そこまで引きずることなく、今は意外と切り替えることができています。
-- ただ古村戦の中では、やるべきことはやれたという感触ですか?
麻火 やっぱり見返したときに、試合してる間の感覚ではもうずっと自分が優勢だと思えていたんですね。1Rは確実に取ったと思ったんですけど、2、3Rも前に出続けていたのは自分ですし、やっぱり自分と相手の選手にしか分からない感覚もあるじゃないですか。
-- そうでしょうね。
麻火 古村選手も絶対キツいだろうなという気持ちも正直あって。もう絶対気持ちで折れないようにと思って……ちょっとローは、タイミングで入ってしまって印象が悪かったなとは思うんですけど、ここで逆に自分が引いたらもう完全に気持ちで持ってかれると思ったので、やっぱりそこでも絶対に前に出続けて、要所要所でしっかり取っていこうと思ってたんですね。だから……確かに、1Rで倒しきれなかった自分がいけないとは思うんですが、それでも古村選手のあのスタイルには、自分がやったあのスタイルでよかったのかなというのは思います。
-- 大谷選手はまたタイプが違いますが、一番、こういうことをさせたくないという点はどこですか?
麻火 パワーとスピードとテクニックがあるとしたら、全部で自分が勝ってると思うんですけど、そこを関係なく潰しにくるのが大谷選手のがいいところというか、今までの勝ちパターンだったと思うんですよね。去年のノンタイトルのバズーカ戦も、やはりテクニックはバズーカ選手の方がありましたし、打撃もバズーカ選手が優勢でしたけど、そこでもやっぱり気持ちで全部はねのけて。やっぱりそれが大谷選手のいいところというか、それで戦ってくると思うので、そこでいかに自分も3R、集中を切らさずにいけるか。切れた時に押し込まれると思うので、そこは気をつけないとなと思います。
-- では、相手というよりも自分の問題という感じですかね。
麻火 そうですね、やりやすい相手ではあるので。ただ気持ちは本当にすごく強いというか、絶対に気持ちが折れないタイプの選手で、そういうところで自分が少しでも弱さを見せたときに攻め込んでくれる選手なんですよね。自分にないところを持ってるっていうのは正直感じるので、そこはすごくリスペクトはしてます。
-- では今回は、最終的にどう勝ちたいですか?
麻火 会見ではKOと言ったんですけど、KOを狙いすぎても自分のスタイルじゃなくなるので、しっかりといつも通り自分の試合をして、「これが麻火だ」という試合をしたいです。お客さんは絶対倒すシーンに興奮するし、インパクトも残せると思うので、そこは考えてはいますけどそんなに狙いすぎずに。打ち合いでも負ける気はしないですけど、自分の試合ができたらなと思います。
-- ここ3戦で、試合ごとに着実な成長は見せられていると思うんですが、ご自分ではどうですか?
麻火 今、『REBELS』と『KNOCK OUT』で3戦やらせていただいて、一番最初は蹴りが主体で2戦目がパンチだけで、古村戦は両方使えたんですけど、その両方をミックスさせた状態で倒すというのがキックボクシングとしてのいい形かなと思うので、しっかりと蹴りでもパンチでも強いというところを見せつつ効かせて、自分のよさを見せたいと思います。そこに、今まで出したことない蹴り技とかも出していきたいですし、バリエーションもかなり広がったので、自分自身すごく楽しみです。
-- そのバリエーションというのは、自分でいろいろ試して?
麻火 そうですね。これこうしたら面白いなとかいろいろやって。やっぱり自分は格闘技が好きなんだなと言うのをずっと思っていて、いろいろ考えるのが好きなんですよね。相手の試合を見て対策するのとかも得意で、「これ入りそうだな」とかは考えます。あんまり、対策というほどの対策はしなくて、パッと相手の試合を1回見る程度で、感覚でやってるので、「これをやってみたら楽しそうだな」という感じですね。PHOENIXはムエタイのジムだと思うんですけど、自分のスタイルはムエタイというわけではないので、ちょっと違うスタイルだなと覚えてもらえればなと思います。
-- タイトル戦線についてはどうでしょう?
麻火 もうずっと、ベルトに近い位置にいるという自覚はあって。でも大事な試合で勝ちきれなかったというのは、自分の持ってないところでもあったとは思います。ただ次、バズーカ選手がこの前大谷選手に勝ったよりもいい勝ち方ができれば確実だと思ってます。
-- では最後に、今回はここに注目してほしいというポイントは?
麻火 今回、もしかしたら立場的には大谷選手の方が上なのかもしれないですけど、レベルの差を見せて勝ちたいと思っています。格闘技、キックボクシングのセンスの差っていうのを、試合で見せらればなと思っています。自分は他の選手にないところを持っているとは思っているので、それをしっかり感じてもらえる試合をしたいなと思います。
プロフィール
麻火佑太郎(あさひ・ゆうたろう)
所属:PHOENIX
生年月日:1999年8月20日
出身:長野県上田市出身
身長:174cm
戦績:15戦9勝(1KO)6敗